*キャラメルドロップ*




口の中に、広がる味。


それは紛れもなく、甘い思い出をよみがえらす キャラメルの味だった。


「あめーっ…」


龍はそんなことを言うけど、幸せそうな顔をしている。


わたしは しっかりと 思い出の味を確かめると、キャラメルは溶けて消えた。


キャラメルは消えちゃったけど、龍は消えないで


キャラメルのように、わたしを溶かしても良い。


だから消えないで…


わたしのキャラメル


消えないで側にいて。


これからも、ずっとずっと…――


わたしに甘い思い出をちょうだい。


そして、わたしを溶かして?


それは、キャラメルのように甘い恋なのだから…



THE END.



< 40 / 76 >

この作品をシェア

pagetop