彼岸花
話しをしおえた時には顔の化粧は涙で崩れていた。
斎藤さんは雪に暖かいコーヒーを出して『飲んだら落ち着くよ』と笑顔で励ました。
『ありがとうございます。』
と雪はゆっくりコーヒーをすすり20分位してやっと落ち着きを取り戻した。
『ご迷惑おかけしてすいません。』
雪は謝ったが斎藤さんは
『気にしない気にしない』と気をつかわせない様に振る舞った。
『でも変だなぁ。俺が今日朝店の前の掃除してるときに挨拶したの聖人だった気がしたけどなぁ』
笑いながら斎藤さんは話した。
『きっとそっくりさんですよぉ。聖人がいつも食べてたケーキ一つ下さい。』
『はいよぉ』
と斎藤さんはカウンター裏に入って行きケーキを用意しだした。
< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop