草食系俺様男子



「わ〜!つい最近まで敵だった人が、これからは仲間になるんだね!」



東高に着いて、そんな台詞じみた言葉を吐きながら校庭をうろつく莉子。


「そうだね〜。友達、できるかな?」

「しのなら出来るよ!それに、もし出来なくても私がいるじゃん!」

「ふふっ、そうだね」


私のもとへ駆け寄って、そう言う莉子。
莉子はいつも声が大きくて(そして今も)、たまに静かにしてほしいと思うときもあるけど、私はそんな莉子が好きだから一緒にいるんだな。

なんて改めて思ったりして。


「あ!!」

「どしたの、莉子」

「あれじゃない?クラス発表!」


どこかを指差しながら言う莉子。
その指の先を見てみると、ものすごい人だかり。
うん。きっとあそこでクラスの発表はされているんだろう。


「行ってみよっか」

「うん!」


莉子はあんなこと言ったけど、私は結構人見知りだから少しでも多く同じ中学校の人がいればいいと思う。

…莉子がいれば最高なんだけど。


「きゃー!かっこいい!」

「やっぱこの高校入って良かった〜!」



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