勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
前回は無理矢理部屋入ってきたくせに!!
そのことで紅葉さんにたっくさん怒られたんだからね!!
清正にはかなり恨みがあるんだから!!
だけど清正はやっぱり良君に似ていて、複雑な気持ちになってしまうのも事実。
良君は、もしかしたら清正の生まれ変わりなのかな?
現実逃避をするように全く違うことを考える私に気がつけば清正がズイッと体を寄せてきた。
近くなる距離に一瞬思考が止まる。
けれど清正はそんな私の耳元に唇を寄せて囁いた。
「あの時は邪魔をされたが、今は俺の邪魔をする者は誰もいないようだ」
含みのある物言いにドキリと胸が動いた。
邪魔っていうのは紅葉さんのこと?
紅葉さんがいないから誰も邪魔をしないなんて大きな勘違いだよ!!
だって部屋には椿さんだって秀吉だっているじゃない!!
現に椿さんは私と清正のやりとりをじっと見据えている。
何かあったらすぐに助けてくれるよね?
だから私は強気に清正に言葉を返した。
「邪魔とはいったい何のことなのか...意味がわかりません」
ツンと横を向いて言葉を放つ私に清正は喉の奥からクツクツと鳴らしながら笑っている。
その不適な笑いにかなり不愉快な気分にさせられたけど、努めて冷静に振る舞った。
おなかの中は煮えくりかえっているんだけど...。