勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
本当に助けが来ちゃったよ。
救世主の登場だよ。
響いた声と同時に襖が開いて部屋に入ってきたのは、この屋敷の主で私の夫である三成だった。
「おかえりなさいませ」
床に手をついて頭を深く下げたまま彼を迎える。
それにしても、今日はいつもよりもかなり早い帰宅。
体調でも悪いのかな?
「さがれ」
突然の三成の登場に唖然としたまま固まる紅葉さんに向かって三成が声を出す。
「ですが…殿」
冷たい三成の言葉にひれ伏しながらも何とか部屋に留まろうとする紅葉さん。
さすが、そんじゃそこらの人ではないなと感心しながら2人を見ていた。
って、紅葉さんは良君や清正のことを三成に伝えるつもりなのかな?
紅葉さんにとってはスクープかもしれないけど…
「紅葉さん、良君のこと知ってるから大丈夫だよ」
(清正と良君が似てるってのは…知ってたっけ?)
私の言葉に目を見開く紅葉さんに視線を合わせて頷く三成。
「さがれ」
三成にもう一度言葉を掛けると
「御意」
言葉を残して紅葉さんは部屋を後にした。
部屋に残されたのは私と三成。
騒がしかった部屋が静けさに包まれる。
「今日は早かったんだね」
三成の隣に座り話しかける私に彼は甘い声で答えてくれる。
「少しでも長く紫衣との時間を作りたかった」