勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


何か問題があるんだろうか…


それとも、やっぱり私だと不安なのかな?


ずっと三成の妻を演じてきたのは紅葉さん。


彼に比べると…


確かに不安…




「ごめんなさい。不安ですよね」


私だと…って言葉は言えなかったかわりに涙が溢れた。


本当に情けないな。


お城に挨拶に行くというだけのことですら周りに迷惑をかけて、三成にも心労をかけてるなんて、妻として恥ずかしいよ。


彼の腕の中から飛び出して床にひれ伏しながら唇を喉の奥からせり上がってくる嗚咽を飲み込んだ。


そして、そのままの姿勢を崩さずに


「迷惑を掛けないようにしっかりと努めてまいります。」


はっきりと宣言して。


それでも信用してもらえないかも知れない、むしろ何を言っても信用なんてされないのかも知れない。


だけど、この言葉は私があなたの妻でありたい、私があなたの妻であり続けるための誓いの言葉。


あなたへの想いだけで特訓も頑張れた。


あなたが大切だから、あなたと共に生きたいから、その一心だけで今日まで必死だった。



頭を下げたまま動けない私に衣擦れの音が聞こえる。



「そうではない」


その言葉とともに私は三成の香りとぬくもりに包まれた。







< 348 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop