雪情
【二人目の死者ー14】


時間が過ぎるのが
遅く感じるのは、

田崎だけだろうか?






それは
全員感じていることなの
かもしれない。






「それまでに、

これ以上
何もなければ
良いのですが……」





「ヤツは
一人になったとこしか
狙わないみたいだね。

一人になるのは
避けた方が良さそうだ」






「じゃあ
ここに居れば、

とりあえずは
安心ですね」






しかし、
家に居ても
川上のように
一人になってしまえば、

家にまで忍び込み
襲われる心配がある。






「まあ、
それはあくまで
一人じゃなければの
話だよ」






田崎はこれ以上、

まとまりが
壊れないように
しなければならない。





だけど、
大久保は冷静な上
チームを乱すような
ことはしないので、

田崎にとっては
心強い仲間である。





人数は
一人でも多い方が
いいので、

早く小川も戻ってくれば
少しは心強いもので
あった。






「しかし、
この雪の中

小川さんはどこに
行ってしまったの
だろうね」






「小川さんは
地形を熟知しているので

遭難することは
まずないのですが……」






「そうですな、

だけど
遭難の心配より
雪男に襲われないかが
心配だ」






そう、
彼は今一人でいるのだ。





ヤツに狙われる可能性が
非常に高い。







「襲われてないよう
祈りながら
待つしかありませんね」






「一体
どこまで行ってしまった
かね………」






………………







その頃
小川はと言うと、

先程全員で行った
森の手前にまで来ていた






表情は険しく
息も切らせている。





小川は
森の奥に向かい
銃口を向けていた………
< 172 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop