雪情
【捜索ー13】


「どうでしたか……
荻さん?」






大久保の言葉に、
雪を払いながら
荻原は答えた。






「いや、
何も手がかりがないし、
この吹雪じゃ
すぐ足跡すら消えて
しまうからな。

こっちは変わったこと
あったか?」






「いえ、特に何も……」






かなり絶望的状況である






小川は一言も話さず、
目が虚ろいでいる。





余程心配していることは

誰が見ても
分かるくらいである。






そんな小川を見た田崎は
決断した。







「今度はワシと白井が
見てきますよ」






田崎の言葉を聞いた
荻原は、
心配そうに答えた。






「この辺を知らない者は
無闇に歩かん方がいいぞ」






「そう遠くまでは
行きませんよ。

ちょっとトイレにも
行きたいので、

軽く外を見てくることに
しますよ」






さっきは
白井とトイレに行ったが
田崎は用を足して
いなかったので、
もう限界である。






「まあ、
荻原さんと小川さんは
少し休んでいてください

その間
ワシ達が見てきますよ」







「そうですか、
気をつけて行って
ください」







と大久保は
声をかけてくれた。





しかし、
それを聞いていた白井は
面倒くさそうな顔をした




…が田崎は無理やり
用意させ、

二人は外に出た。







先程外に出た時より
さらに吹雪は強くなって
いた。





一体
どこまで吹雪は
強くなるのだろうか?






また、
一歩一歩ゆっくり
歩き始めた
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