雪情
【小さな応援ー8】


「でも、
なぜ全員で捜索を?」





「二人だけでは危険だ。

少なくとも
三人はほしい」





「では
大久保さんか小川さんが
残りますかな?」





「いやしかし
三人出てしまうと、

ここで
留守番をしている人が
一人きりになるから
危ない。

だから、
全員で行きたいんだ」





「ここなら
一人でも安全でしょう。

それに、
捜索も二人いれば
十分だと思いますがね」





「いや、
ヤツを甘く見すぎている

二人だけでは
逆にやられるかも
しれない」





小川は、
雪男を見た時の恐怖を
思い出していた。





留守番がいなくなるのは
いろいろ問題があるが、

大勢で行かないと
殺されると
本能的に悟っているのだ





いや、
例え全員で
雪男を探しだしても、

無事に済むかも
分からないのである。





「確かに
用心に越したことは
ないが……

それほどまでの
相手かね?」





「それは………」





小川は黙ってしまった。





しかし
その様子からして、
余程雪男は
危険だという事が分かる





小川は
このメンバーの中で、
唯一雪男を見たのだ。



ここは素直に
言う通りにした方が
良さそうである。





「分かった……

その代わり
ここに戻ったら
犯人が入った形跡が
あるか、

潜んでいるか
確認するため
家中を調べますが
いいかね?」





「ああ、
それは分かっている」




と言いながら
小川は銃を取り出した。





「いつ何があるか
分からないから、

刑事さんも
自分の拳銃を
手入れしておいた方が
いい」




それだけ言うと、
小川は隅で
銃の手入れをし始めた。





田崎も
自分の銃を
取り出してみた
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