君とアタシのkiss☆
始まりの行方
穂香 side


川沿に、二つ並んだ楽しげな影。
これは、いつもの光景。

「ホノ!!」
「何?リョウジ」

あたしたちは、幼なじみ。

特別、仲がいい。


カキーン・・・

ホームランであがった白い球。

場外ホームランを打って、走る君の姿。

「わぁっ、すんご!!」

あたしは、それを見上げる。
リョウジは、あたしを優しげに見つめた。

あたしは、一塁に走る彼を見つめた。


「カッコいい~~!」

あたしは、フェンスに駆け寄る。
それを、愛しくみつめるリョウジ。

「リョウジ! 見て、あれ! 超カッコいいんだけど! 何あの子! 誰!? リョウジ?」
「え・・・」
あれ・・・?
言わない方がよかった?
カッコいいとか、言わない方がよかった・・・かも?

「あ~。あの子、ピッチャーのヤスだよ」
「ヤス? うっそ!? 超カッコいい!」
「・・・・。そっか。ホノはヤスのこと好き?」
「うん! 超好き!」
「・・・そっか。」
また、諒司は悲しい顔をする。

・・・?
どうしたの?
リョウジ。

なんだか、いつもと違う。
らしくないよ。

「ホノ・・・」


・・・え?







あたしは、
リョウジに、






キス
された。










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