君とアタシのkiss☆

今から、二ヶ月ほど前のこと。

トモがあたしのところに来てなにを言うかと思ったら・・・

「ごめん!!」

って急に謝った。

「なんで?」

って聞いたら、

「だって、ヤスくんのこと・・・」

なんか、不安そうに言ってきたから、なんだか検討ついて、

「どうしたの?」

って笑うのを耐えながら言った。

「・・・えっとぉ」

少し戸惑うのを見て、やっぱりなって思った。

からかいながら、わざとらしく

「もしかして、好きになっちゃったぁ?」

なーんて聞いたら、なんと図星。

顔を真っ赤にして、

「ごめん!!」

って言った。

あたしは、笑うしかなくて

「えぇ? なんで謝るのぉ~。いいよぉ~、そんなの気にしないで」

本当は凄く焦ってるんだ、とか

本当は誰にも渡したくないんだ、とか

そんなの言えるはずもなく・・・。

その話は笑って終わった。

でも、トモは絶対に告らないと言った。

「フラれるのは、やっぱり怖いかな~」

なんて、少し申し訳なさそうに言った。

でも、あたしは後悔なんてしていない。


そして、その会話から一週間も過ぎていない頃・・・。


「ミイナちゃん。やっぱり、あたし・・・。やめる」

笑顔であたしに言った。

「え!?」

あたしは、驚いて次の言葉を失ってしまった。

「いいんだ。もう・・・、敵わないなぁ」

ははは・・・って悲しげに笑うトモを見ていられなかった。


ギュッ...

あたしは、トモを抱きしめていた。


「ごめんね。トモぉ~」

涙が溢れそうだった。



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