灯火
話しやすいというのは俺の一方的な印象だったかもしれないけど、女でこんな風に話すのは初めてだった。

「あっ!私、椎名美和(しいなみわ)です」

今まで散々喋ってたのに思い付いたように自己紹介をする彼女。

「…あぁ。蓮見朔良」

「よろしくね」

「よろしく」

逆に気を使わせているのかと思い彼女を見たが、彼女はキョトンと俺を見た後また話し出す。

そんな事を微塵も感じさせないその流れに、思わず安心する自分がいた。

ともかく、担任の話を聞いていなかった緊張感のない俺達二人は、めでたくクラス委員となり、それをキッカケに話すようになる。

相変わらず愛想のない俺に彼女は度々話しかけにきた。

そのたびに思う。

やっぱりスゴい女だ。

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