恋色の紙ヒコーキ

見えない自分

5月中旬。

あたしと陽の生活は完全に部活中心で(というのも高校総体があるからね)、少し…
というか彼女も彼も落ち着いてきた…ハズ。



「んじゃ、今日から進路相談ってことで一人ずつ面談するぞー。
部活入ってるやつ…特に運動部は、なるべく昼休みにやろうと思っている。
とりあえず、今日の昼休みからやろうと思ってるんだが…
今日の昼休みに俺と面談したいやつはいるかー?」


すっと陽の手が挙がる。


「五十嵐、だけか?」


あたしは俯いた。
だって進路なんて決まってないんだもん。
てらりんと話すことなんて思いつかないし。


「五十嵐、昼休み始まってすぐでも構わないか?」

「はい、大丈夫です。」

「よしっ。あと二人くらい…は出来るな。
放課後部活あるやつはなるべく昼休みにやったほうがいいぞ。練習したいだろ?」

「はーい。じゃあ俺で。」

「よし、じゃあ五十嵐が12時10分から10分くらいだな。
だから安藤は12時20分くらいになったら職員室に来い。」

「分っかりましたー!!」

「他にはいないか?もう一人…。」


ふっと顔を上げたあたしと、てらりんの目が合った。

そしててらりんがニヤッと笑う。

え…ちょっと待って…?

なんか嫌な予感…

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