恋色の紙ヒコーキ
実際はるの前ではこうやって大人ぶってるけど…
正直に言えば俺だって離れるのは辛い。

まぁまだ離れるって決まったわけじゃないけど…
同じ大学に行く可能性なんてほとんどないと思う。

高校1年のときからずっと一緒にいるから、「離れる」ってこと自体がどんなものなのか、俺だって想像できてない。


どっちかって言えば、俺の方がはるを必要としてるかもしれない…


実際離れたらどうなるんだろう…?
俺の方がダメになったりしないか…?
そんな不安もあるけれど、そんな不安に押しつぶされているわけにもいかない。


俺たちの未来のために…



「ねぇ陽…そろそろ教室戻ろう?」

「え!?あ、ごめん。」


俺はパッとはるを腕から解放する。


「行こうっ!!」


はるが俺の手を握る。

その笑顔と、手から伝わる温かさに、俺は思わず微笑んだ。


*陽side END*


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