すきだけど?
歌いおわった柏原くんがもどってきて
「柊さん、ちゃんときいてくれててん?」
拗ねたようにゆわれ、
「きいてたよ」
あわててこたえる。
「あやしいなあ」
柊さん意外とぬけてんから、と緩めて笑った。
「ちゃんときいてたよ」ムキになってゆうと
「じゃあどうやった?」
ちょっと意地悪そうに、若干心配そうに、少し照れたようにきいてくる。
「‥巧かった。柏原くんの歌い方すき」
目をそらしてゆうと
「ほめるときは目ぇみてゆうてほしいなあ」
ニヤニヤしながらきりかえされた。この言い方はあたしが照れてるのを完全にわかってる。
「‥‥察して」
「まあ今日はじめて会うたし柊さんやしな」
「‥どうゆう意味よ」
軽く口をとがらせてききかえすと
「ツンデレやもんな」
「ツ‥ッ?!」
言葉がでず、思わず口をパクパクさせた。
「素直になれないけどほんとはちゃんとすきなんやもんなー、まあツンデレってほんとは2人きりのときはデレデレせなあかんのやけど‥細かいとこおいとったらツンデレやん?」
まじめな顔でまじめなことをゆってるみたいにあっさり語ってくれるが、語ってる内容は"ツンデレについて"である。
「じやあ柊さんがツンデレ発覚したところで俺とここ抜けへん?」
「うんいいよー‥って、はあっ???!!!」
ふつうに承諾しかけて途中で気づいた。