すきだけど?



「なんでそんなこときくん?」
「‥いいや」

しばらく俺の顔をながめていたが、気がぬけたかのように笑った。

「なんやねん、気になるんやんか」
「いいのー、勝手に気になっといて」
心なしか、確実にさっきより機嫌がいい。


「‥まあええけどな」

機嫌よくなったんやったらキスしたいんやけど‥

ぜんぜんしてへんし。
ってゆうか告ったときに1回しただけやねんもんなあ‥

「柚寿?」
「ん?」
「キスしたない?」
「なっ‥!」

真っ赤になる。

柚寿、年上やのにわかりやすいなあ。


いややないんなら遠慮はせえへんよ?


抱き締めて、口づけると固くなってた柚寿の体から力が抜けていくのがよくわかった。


そのまま浸り、しばらくして離すと
「ねえ‥‥‥‥わかってたの?」
柚寿がいきなり問いかけてくる。
「何が?」

おそるおそるきいたような柚寿の表情が、いきなりいつもの気の強い柚寿の顔になった。

「なんもない!」
「ほんまなんやねん!」


これからもずっと、年上なのに年下みたいな柚寿の面倒みながら一緒にいられるとええな―――。

★葉sideEND★



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