今夜,君と…。
全部ただのわがままだし。

あたし達がお互い求める〔愛のかたち〕が違うことくらいケンカの度に思い知らされてる。


《ぴるるるる》

「もしもし?…うん。」




いつも亮平の声を聞きながら眠りにつく。




しあわせだったのに…


やすらぎだったのに…。


すきですきで不安で。

ケンカの度に,すがりついてたあたし。


別れたくないと叫んだのもあたし。



でも。



あの夜。
すがりつかなかったのは,嫌いになったからじゃないよ。




あたしは明日から夢新地で働く。

9月の夜でもまだまだ暑い。

今夜は眠れそうにないや…。
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