今夜,君と…。
気付けば5時間くらい経ってて,店員さんに軽く睨まれはじめた。

「そろそろ出よっか?」

今回も先払いのハンバーガー屋やったしワリカン。


ホンマ珍しい女。



「あたしこの後,用あるから!」

「…元彼??」

「今日は違〜う♪儲けてくる!」


そういってナナセは,右手を軽くグーにして右へスナップをきかせてみせた。


「は?!お前パチンコなんか行ってるん?」

「あは♪元彼の影響でハマっちゃったみたい!楽しいし,あたし負けへんし♪」

「……。」

「よーた君も行く?」

「…いや,帰って寝るわあ!」

「そ♪じゃあね!」

「おう!」



その時。




俺が手を振ろうと上げた右手に,ナナセはビクッと顔を覆った。



「?!…あは!ごめんごめん!びっくりしてもーた!」

ナナセは笑った。

あの日からナナセはどんなに辛そうでも泣かなかった。




やりきれない気持ちのままナナセと別れた。

やめろよって言いたかった。


けど何様やんな??


ただの友達やもんな…。





なぁナナセ。

会うたびに可愛くなる訳を教えてや?




毎週末,飯食うだけの俺に望みはある?






一人になると一気に現実に引き戻される。


昼間,ナナセと一緒におれたんは夢みたいや。



夢見心地のままナナセにメールを送った。





…誰かと一緒におるかもしれんナナセにメールを送った。



午前2時。


俺は一人,
君を想うよ…。
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