恋～れんごく～獄

＊６月２３日日曜日
いつもはお昼まで寝ている日曜日。


－全然眠れない－


気になって仕方がない、真さんの事。薬を飲んでも眠れない。
私の心の中に、ここまで侵入してきた男性は、あなたが初めて。


－怖い－


嫉妬し、ライバル心を燃やしていると言っても、未だ尊敬し、愛している美加華姉さま。
ただそれよりも、私の心の中でのウェイトが高くなっている、彼。この恋、成就させるためにはどうすれば…＊


＊６月２４日月曜日
…今、姉さまの制作している絵に対抗して、ある一つの作品を描いている最中。その絵の意味、姉さまが知る頃にはきっと、私はこの恋の勝者となっているだろうな。絵画も恋も、７月１日の展覧会までには決着を付けないと。
姉さまは、不思議な顔で私の描く題材を見つめていらっしゃる。
姉さま。この絵は、今の私自身よ。＊



…武浩は、自分の部屋で、ベッドの上に仰向けに寝そべり、奈津子の日記を黙々と読みふけっていた。そして壁に掛かってあるカレンダーに目をやった。