君しかいらない
「莉子、明日から父さん二日ほど休みがとれそうなんだ。」

「なに?どっか遊びに連れてってくれるの?」


聞くと、お父さんとあの女は嬉しそうに見つめ合った。

「意味わかんないんだけど、何?」

「父さんと母さん、籍を入れてから一度も出かけてないから、一泊二日で温泉にでも行こうと思ってるんだが…」

申し訳なさそうに言ったお父さんにため息を一つ、かえした。

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