女社長は12歳
六章 ヤなやつ登場
ーーピリリリリリ……

朝六時半、枕元の目覚ましがけたたましい音できららの安眠を妨害する。

「……ん……もう朝あ? ……」

最近、なにか目覚めが悪いというか、なかなかスパッと起きられない。

今までよりも疲れを感じる今日この頃だ。

「う~……」

ベッドからずりんと落ち、虫のような動きで床を這いながらクローゼットに向かう。

スローな動きながらもなんとか着替え、ランドセルを引きずりダイニングのドアを開けると、ちょうどマチ子がテーブルにパンを並べていた。

「おはようきっちゃん」

「おはよ……」

きららは椅子を力なく引くと、ドスンと尻もちをつくかのごとく椅子に腰掛け、テーブルに伏せた。

「ふああ~……あ~ねむ……」

その体勢のまま、大きなあくびを一つ。

「はいよ」

マチ子が、そんなきららの横にミルクの入ったコップを置く。

きららは顔を伏せたまま、手でコップを探した。

手に感触があると、今度はコップを握りしめ、ようやく顔を上げて口へと持っていき、ゴクゴクと飲み干した。

「う~……冷たくて美味しい」

きららはコップを置き、大きく背伸びをした。
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