女社長は12歳
七章 マーケティングリサーチ
朝の六年三組。

ホームルーム前のひととき、周りはおしゃべりをしたり机に伏せて寝ているものなど様々だが、きららは昨日の宿題である漢ドを慌ただしくこなす。

結局昨夜はずっとソックスの企画を考えていたため、宿題にまで手が回らなかったのである。

そんなきららを、後ろの席の彩が目ざとく見つけた。

「あれー珍しい、きららが宿題忘れるなんて。どした?」

「うん……ちょっと忙しくってさ」

「そうなんだ。ね、今日練習ないじゃん? 遊ぼうよ、ジャトコ行かない?」

「おー、いいねー!」

彩からうれしいお誘いだった。

二つ返事で誘いに乗りかけたきらら。

だが、思わず企画の事が脳裏をよぎる。

できれば、今は少しでも早く企画書を作り、楽になりたい。

きららはそう思った。
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