女社長は12歳
「おはよ、彩」

「なんか、体育館地獄のようになってる気がするんですけど……」

「うん、今日はかなりきてるねー。でもあたし暑いの平気だから。もっと暑くなれ~」

きららは空を見上げた。

入道雲は、先ほどよりも大きく成長していて、見ていても徐々にその大きさを増していっているのがわかる。

頂上はもの凄い高さまで達していて、見ていると首が痛くなりそうだった。

「なんかさあ……あそこ、シュークリームに似てない?」

きららは入道雲の先端部を指差した。

丸くふくれ上がった雲はドーム状になっていて、表面に微妙な陰えいをほどこしている。

シュークリームのように見えなくもない。

「へ? あー、なるほどね。しっかしきらら、食い意地はってない?」

彩はあきれた口調できららを諭した。
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