地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「最後は何だ」


問い掛けに、ゆっくりと息をついて答える。


「あのね」

「あ?」

「好き。陸が好き、大好き」

「ちょっ!?」

久しぶりの大胆告白に、焦り出す陸が可愛くて……愛しいと思った。


「……色々と間違ったこともしたけど、もっかい……あたしと付き合ってくれますか?」


ギュッと手に力を入れる。

これが最後。

言いたいこと全部吐き出したし、聞いたもん。


こんなあたしを、まだ好きでいてくれる?




ドキドキの中、返ってきた答えは───……。



「俺……別れた覚えはねぇんだけど? つーか、手放す気は一生ない」


力強い言葉が、ただ嬉しくて……溢れる涙を拭うことも忘れた。
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