地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
その時だった。





「わしの孫が、どうかしましたか?」


スッと、あたしの後ろに……よく知った声の主が現れる。


「えっ……」

とっさに振り向いた。

「あ、じーまだぁ!」

繭ちゃんが歓喜の声を上げる。

「ウソ……」

ありえない人物の登場に、手で口を覆った。

普段は、めったに……華やかな場所へは来ないのに。


「…じ……じい様……」


そこには……神崎一家の当主であるじいちゃんがいた。


「コイツ、アンタのじいさん?」


二宮さんは、じいちゃんの顔を知らないらしい。

代わりに、周りにいた色んな重役達がハッとして……ガバッと頭を下げ始める。

彼女には、その様子が見えてない。


「じいさん? アンタの孫……上流階級の人間への口の聞き方、再教育した方が良いわよ?」


じいちゃんに向かって、二宮さんが言い放った。
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