大切な人へ

麦わら帽子



「うわー海!」

君は弾んだ声で叫ぶと裸足になって海の中へと走り出した


付き合って初めての海


「はやく!」

そして笑顔で俺を誘う


二人でガキのように海ではしゃぐ



「あっ!」

風にのって麦わら帽子が飛んでいく


「とってくるよ」


俺は追いかける


「とったよ!」




振り返ったら君は




そこにはいなかった

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