恋愛一色
菊地はこんな情けない俺に、優しい言葉をかけてくれた。

そして暖かい温もりで俺を撫でてくれた。


みんなの優しさが、じんじんと伝わってくる。

ごめんな…ありがとう…


すると屋上のドアが鈍い音を出して、ゆっくりと開いた。



『遥斗…』



『うん…』


太陽の光で眩しかったが、そこにいたのは遥斗だった。


悲しい表情を見せて立っていた。



そして遥斗は俺の隣な座り、俺の肩を抱き寄せた。



…お前どこに行ってたんだ?



『なぁ、響?昔俺の母さんが言ってたんだけどな?』



遥斗は空を見上げながら話を進めていく。


俺は遥斗の横顔をずっと見ていた。



『うん…』



遥斗は俺に最高のプレゼントをくれた─…




『泣くときはこの綺麗な空を見上げるとなにかご褒美がもらえるんだってさ。だから空を見上げて泣けよ…』






この言葉は永遠と俺の心に刻まれ続ける。
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