恋愛一色
『今日は突然どうしたの?』



『…気分を変えようかなって…』



『そっか。なにかあった?』




光輝さんは俺の髪の毛を触りながら、話を聞いてくれていた。



『…実は…さっき彼女にふられたんです…』



俺は下を向いて笑って言った。

すると光輝さんの手が止まり、鏡の向こうの俺を悲しそうな瞳をして見つめた。



『…悲しい?』




『お互い納得して別れたんで…今は大丈夫…かな…』



『やっぱり響君と俺は似てるな…』




光輝さんはボソッと呟いて俺の肩を掴んだ。




『よし!今日は俺がかっこよくしてあげるよ!』



こう言って腕まくりをし、俺の髪の毛に鋏を入れた。




『俺と光輝さんが似てるって?』




『うん、似てるかな?
響君はまだその人のこと好き?』



切られた髪の毛がはらはらと落ちていく…
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