ピクシーホルン
突然、ナタリーの頭に響いた女性の高音の声。
ナタリーはドビシーを見る。
―どこ?
―また真っ暗…また…いやだいやだいやだいやだ!!!!
急にドビシーが暴れだした。
ガシャガシャと鎖を揺らしながら、無理矢理に羽根を伸ばし、飛び立とうとしていた。
羽が抜けるほどの暴れ様に、ナタリーはゆっくり彼女に近付いた。
そんなナタリーの気配を感じたのか、さらに暴れ出す。
「…大丈夫よ。私はあなたに危害を加えるつもりはないの」
できるだけ優しい声音で言う。
しかし、彼女には届いてなかった。
ナタリーは祖母から教えてもらったお互いを知るための知識を使うことにした。