【短】最後に君に。
いつも空から…


俺が鈴夏(スズカ)の前から居なくなってからあと一週間でちょうど1年になる。

1年前の夏休み、鈴夏と俺は夏祭りに来ていた。
それなりに楽しんでから鈴夏を送って行った帰りに俺は事故にあった。

別に仕方ない事だと思ってるし、後悔なんてしてない。
…だけど、、あの日から空からずっと見ているけど鈴夏は笑わなくなった。

俺はあのひまわりのような明るい笑顔を取り戻して欲しいんだ。

「とか言っても何も出来ないんだけどなー…」
頭をかきながら言うと、雲の上にごろりと寝転ぶと真っ白な世界と対照的な真っ黒な服を着た男が俺の後ろに立っていた。

「あ、番人さんじゃん。どーしたんです?」
その男は地上と天国の境目の番人である人。
…名前は知らないから番人さんって呼んでる。

「悠太(ユウタ)また彼女を見ていたのか?」
「あぁ、、今日も笑ってないからね」
俺が苦笑いを浮かべると、番人さんもクスリと笑ってから真剣な顔をした。

「…覚えてるか?この境界の規則を」
「…規則、、あぁー覚えてますよ」

規則、、それはここに来てすぐに教えられた。


"1年で天国に旅立つ"

今のこの世界は地上と天国の境目。
死んでから1年が経つと完全に天国へ逝かなきゃならない―…

そうなればこの世界は見れなくなるし、鈴夏にも会えなくなる、、だから俺は最後にあいつに笑って欲しいんだ。

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