バンビ
still…
「なんか腹減ったな・・・メシ食べてく?」

やっとホントの笑顔に戻ったモモと一緒に、駅前のラーメン屋に入った。

もっとこじゃれたとこが良いとモモはごねたけど、そういうとこはやだって俺が押し切って、結局二人の意見が一致したとこがここ。

とんこつだったら大丈夫らしい。


原宿だから、まだましだったけど、ぶっちゃけ俺は店に入って食事するとか苦手なんだよ。

いつもバリバリに髪を立てて、ボロボロの服着て鎖をジャラジャラさせてっから、かなり目立ってじろじろ色んな人に見られっから。

ファーストフードとか、ラーメン屋程度ならまだましなんだけど、カフェとか入ると完璧に浮き上がるしな。




結構遅い時間だったせいか、店は割と空いていて、待たずにすぐカウンター席に通された。

とんこつラーメン二つと高菜めんたいご飯を頼むと、お腹すいたねーなんて言いながら、モモはまだメニューをまじまじと見てる。

「デザートの杏仁豆腐も美味しそう・・・」

やっぱ女子は甘いもんが好きなんだなーなんて、ちょっと可愛いかも?って思いながらまじまじと見ていると、モモは俺の胸元を見てなにかに気付いたように指をさした。









「あれ?赤くなってるよ??どうしたの??」





なんかさっきまでのことに夢中になってて、すっかりストールがないことを忘れてた・・・






胸元に、キスマークがついてたこと・・・






それを隠すために、ストール巻いてたのに。

ちょっとかなり、ハズいかも??
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