バンビ
「今日はみちるさんもきてたし、来るかと思ってたんだけどな・・・」


ちょと淋しげにリンダはつぶやいた。


「母さんは、レンの母さんと仲よさそうに飲んでるよ・・・」


リンダは、うちの母さんとも仲がよくて、微妙に困るんだ。



「え??あの綺麗な人、レン君のお母さんなんだ?
でもどっかで見たことある気がするな・・・」


そう言われてみれば、俺もどっかでレンの母さんを見た気がする?
どこだっけ?
学校以外のところのはずなんだけど・・・







「ああ、この前情熱大陸に出ちゃったからね・・・
うちの母さん、結構有名な華道家なの。」





レンがさらっとそんなことをいうので、リンダと二人で「えー!」って声をそろえて叫びそうになった。



「なんでそんなこといわねーんだよ!」


「べつに、聞かれなかったじゃん。」


レンは相変わらず、淡々としている。


なにげにこいつん家って、凄いのかも?

確かあの人って、Babyのレコードジャケットの花のデザインとかしてたんじゃなかったっけ?




「あ!思い出した。前にレンの母さんと、麻布のクラブで飲んだことあるよ。」


もうかなり前だけどねっていいながら、リンダは席を立つ。


「ちょっと私、挨拶してくるわ~♪」




そう言い残して、リンダも母さん達の方に行ってしまった・・・
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