バンビ
とまどいながら
夕方頃、モモと原宿駅前のGAPで待ち合わせて、ビトの出演するショーに出かけた。


何を着ていこうか色々悩んだんだけど、やっぱこのショーのブランドを着ていくべきだよな?

昔一着だけ、古着屋で高い金出して買ったここのブランドのカットソー。
ものすごい高いんだよ・・・
普通に買ったら、俺のひと月のバイト代ぐらいになる。
古着でも2万近くしたし。

凄くお気に入りのやつだったから、ライブの時にはあまり着なかった。
破けたりすると悔しいから。

今日はそのカットソーに赤いチェックのボンテージパンツを合わせ、首にはストールを巻いてきた。
腰にはいつもの、鋲付きのベルトもしっかりして。



モモもやっぱりこのブランドのワンピを着ていて、こいつんちって金持なんだなってつくづく思う。

しかも、その辺のモデルなんかより、ずっと可愛く着こなしててやがる。
こいつの為に作ったワンピみたいだ。



「へえ、すっげー似合ってるじゃん?それ高いだろ?どうしたの?」

会場まで二人で歩きながら、何となくそう聞いたら、お母さんから誕生日にもらったって言っていた。

ああ、やっぱりんさんのセンスが良いんだな。



「これ高いんだ、知らなかった・・・なんだっけ?えっとギャ○ソン?」

モモが無意識に、スカートのすそをめくってタグを見ようとしたときに、生脚のままの太ももが見えて、ちょっとドキッとする。

お前、わざとやってるだろーってちょっと思った。

見ないふりしてしっかり見たけど。


「エイジ君も、そのカットソーかっこいいよね?」


思いっきりでかいドクロのデザインを指差して、モモがそういってくれて、なんだか照れたりした。

褒められると、素直に嬉しいもんだな・・・
女子からは、怖いってよく言われるんだけど、こういうシャツって。






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