もしも、世界が美しかったら
【四章】君と別れ

―花梨side―





今日は最低な一日だった。


いや、私は別に普通なんだけど、このカップルの仲が最悪だった。

來は夏琅の事を避けまくってるし夏琅は夏琅で珍しく遅刻しなかったと思えば、いつもは放課後だけ居なくなるのに休み時間はどっか行くし。


しかも、昼休みは小松さんと一緒に出て行ったからね。

あれには、もう……言葉が出なかったよ。




「あのさ、あのさ!5時から、体育館来てくれよ!」

放課後になって夏琅が話かけてきた。來は夏琅を見ようとせずに、ずっと窓の外を眺めている。


「体育館?」

「そ、絶対来いよ!5時だから!行こうぜ、小松」

「うん」

「ちょ…夏琅!」

言いたいだけ言って、俊介の言葉も聞かずに夏琅は小松さんと一緒に教室から出ていった。


「「…………」」

バカ夏琅。なんでそんな火に油を注ぐようなマネするの!?


來は相変わらず窓の外から、視線をはずさない。

たぶん…この中の誰一人として、夏琅が浮気、ましてや來の事が好きじゃなくなったなんて思っていないと思う。

もちろん、來も含めて。

ただ、残り僅かな夏琅との時間を自分じゃなくて他の子が共有するのが寂しいっていうか…。





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