もしも、世界が美しかったら



「みなさん……落ち着いて聞いてください。」

ゴクッと息を飲んだ。

先生はゆっくりと言葉を発した。



「夏琅くんの………………

ドナーが見つかりました。」


―――――――え…?

「今から手術を開始します」

頭がついていかない。

え?ドナー…見つかった?

じゃあ……じゃあさ……っっ


「夏琅は助かるんですか!?」

「まだ何とも言えません。夏琅くんの体力や、心臓との相性もあります」

先生は真剣な表情で話続ける。

「だけど、私たち医師も全力で手を尽します。」

―――みなさんも夏琅くんを
信じて上げてください。



先生がいなくなったあと、來が
崩れる様にしゃがみこんだ。

「良かっ…ッッホント良かった」

その言葉をきっかけに、再びみんな泣き叫んだ。

しかし、今度の涙は悲しみじゃなくて……喜びの涙だった。

「夏琅……がんばれよ」

この声は届いたのだろうか?




―――――

―――

―


手術室のランプが消えた。

閉まっていた扉が開くと同時に
そちらへ駆け寄る。

「せんせ…っ!夏琅は…」

來が医師にたずねる。










< 145 / 244 >

この作品をシェア

pagetop