あまいの。


「………………えっ」



…びっくりした。

イインチョー、顔真っ赤にして固まるねん。


ほんと真っ赤。

多分触ったら、ジュッて音したと思う。


なんかその顔見たら、俺の中のスイッチがポチッて入ってもて。


「なに赤くなっとん?」

「─────!?」

「ほんとに俺のこと好きなんや?イインチョーのくせに」


イインチョーの腕つかんで、前に引き寄せた。

イインチョーの真っ赤になった耳が、俺の口元に近づく。


イインチョーは固まったまま。

いつもの真面目な、野蛮な人たちとは関わりませんオーラがなくて。



「…好き?」



触れるか触れないか、耳元でささやいた。


イインチョーが震える。


そろそろ突き飛ばされる頃かな。

ふざけないで伊佐見くん!!とかって眉をつり上げて。

イインチョー怖いからなぁ。


そう思ったとき。


< 3 / 18 >

この作品をシェア

pagetop