流れ橋
「これ、わたしが着ていいの?」思わず、お姉さんに聞いた。

「もちろん。その為に持ってきたの。よかった、気に入ってもらえて。」そういって、風呂敷を丁寧に折りたたんでいる。

わたしは、嬉しくて感動しながら急いで冷蔵庫に走った。

そして、冷えた麦茶をコップに注ぎ、お姉さんのところに持っていった。

「ありがとう。今日暑いよね。」そう言いながら、お姉さんは、受け取った。

それから、全身がうつる大きな鏡を二人係で、隣の部屋から持ってきて、準備をした。

後は、朋子が来るのを待つだけだった。

風鈴が、チリーンと鳴りだした。

風が少し出てきたようだった。

そういえば、お姉さんは、父のことについて何も触れない。隣の家に住んでるのだから、きっと事情はすべて知っているのだろう。

しかし、わたし自身、今は、まだ気持ちに余裕がない。そっとしてくれたことに、わたしは、感謝していた。

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