更生は赤詰め草で

さるぐつわをかまされた彼女たちは早苗をみるなり一斉に騒ぎ出した。

「んー!んー!!」

「嘘、でしょ…?」

早苗は愕然とした。
彼女たちには悪いが、ここにいる全員小物。

不良に手を回し尚且つ学校でも早苗を苦しめるなど彼女たちに出来るはずがない。
学校でやっていたようにターゲットを見ては馬鹿にしてくすくす笑うのがせいぜいだ。

おまけに、見つかって観念するどころか早苗に助けを求めている。

このゲームも依頼人もとい首謀者発案。
早苗に見つかって項垂れはすれど助けを求めるのはおかしい。
とにかく早苗は彼女らのさるぐつわをはずした。

「ねえ!早く縄を解いてよ!」

「嫌。あんたたちには聞きたいことがあんのよ」

その言葉にブーイングを始める女たち。
早苗はドアをガン!と叩いた。
とたんに黙る彼女たち。
早苗はイライラと戦いながら言った。

「黙って聞けよ。ちゃんと答えてくれたら縄もとるし、逃がしもする。
さっさとして欲しかったら素直に答えろ」

< 84 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop