白い絵の具

千鶴



〈千鶴〉




「何々ー?何の話し?」


私の心臓が音を立てる。


私のとなりに美幸が立っていた。

「舞のノロケ話ー」


「ノロケじゃないって!」


「あー彼氏がいる人はしあわせでいいねー
 ね、千鶴!」


「う、うん!!!」


美幸に名前を呼ばれるたびに


この名前が好きになっていく。


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