裏表な彼氏×天然な彼女

なんで?

あれから━━━…


教室では痛いほどの視線を浴び、廊下を歩けば指を差され(主に男子)、
休み時間になれば教室に人だかりが出来るという始末だ。


休み時間はいつも通り唖稀と過ごしたが…どこかよそよそしくなってしまう。


だって…誰かの前で泣くっていうことも初めてだし、しかも胸まで借りたから………。


なんか恥ずかしいっていうか…。


普通にしてればいいんだろうけどそれが出来ないなんて…。


やっぱり『まだまだ子供だな』って思った。


那津は気を遣ってか教室に来ることはなかった。



痛いほどの周りからの視線に耐え切れなくなったあたしは黒いオーラをだしながら低い声で言い放った。


「言いたいことがあるんなら言ってください。 いい加減、煩わしいんです」


さすがに皆さん、ビビったのか重たい沈黙に包まれた。


今は昼休みで1番賑わっている時間帯と言っても過言ではないだろう。


その時間帯に重たい沈黙に包まれているのだから変な感じだ。


教室にいた女子はそそくさと出て行った。


残されたのは男子とあたしのみ。


隣の屡季も、唖稀でさえ固まっている。





< 32 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop