裏表な彼氏×天然な彼女
「へぇ…こんなに簡単に見破られるとは思わなかったな。 にしても珍しい…」


珍しいって何がよ?


「そっちの胡散臭い笑顔の方がよっぽど珍しいわよ」


皮肉たっぷりに言ってやった。


わずかに驚いた顔をしたがそれは一瞬だけだった。


次の瞬間には片方の口角を吊り上げ、妖しい笑顔を顔全体に広げていた。


「そんなこと言うんだ?」


!?!?!?


なんか…背筋がゾクッてしたんだけど…気のせい?


いまだに掴まれている右腕。


多少力がこもり、さすがに痛くなってきた。


「離してよ」


睨みながら言っても力を多少緩めただけ。


「男なんて嫌い。
特にアンタみたいなヤツは…
大嫌いで関わりたくもない!!!!」

一気に言ってやった。


こんな裏表ありの男なんて関わるのゴメンだ。


キャーキャー騒がれて笑顔を返す…なんて胡散臭いし有り得ない。


だけど何を思ったのか…


「オレ、莉畝みたいな
気の強ぇ子めちゃくちゃタイプ。ぜってぇ惚れさせてやるよ━━」


と言い、アイツは準備室を後にした━━━…。





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