あなたの大切なもの
「そんで…今刹那はどこに居るん? 学校に来てるて聞いた!」

「それは利恭が呼び出して体育館裏に――ちょっ! 百合!」


あたしは飛び出して体育館裏に向かった。


中庭を走って
走って、走って、走って、走って、
刹那の所へ。


階段を駆け下りて、
駆け下りて、駆け下りて、駆け下りて、駆け下りて、
刹那の所へ。


廊下を走って、
走って、走って、走って、走って、
あたしの…愛する人の所へ。



「刹那ぁ! …え?」

目の前にあるのは、ナイフを持って、あたしの愛する人に密着している良紀と…


血まみれになり、手を真っ赤にして、良紀にもたれかかっている…


 ……あたしの愛する人の姿。
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