あなたの大切なもの

助け

「なぁって!」

純があたしの肩に触れる。
…触らんとって!

「いやっ!」

パシッ―――

「痛って…」

あたしは、無意識の内に純の手を叩いていた。

「あっ! ごめ…」

「腫れてるし…赤ァなってるし」

「……ごめん」

謝りたくない。
何で謝らなあかんの。
でも手ェ叩いたんはあたしやんな。

俯いていると、急に純が笑い出す。

「あはは! 嘘やし! こんなん痛くないし!」

「はあ!? 嘘ついてん? 最悪!」

また嘘…。
あたし何回こいつの嘘に引っかかって来たか分からん。
最悪やし。
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