1と4の捜査
住宅街だ。

もう人も車も通っていない。

静かだ。

佐山は車を車庫へ入れ、二人は降りた。

「ちょっと待っててね」

佐山は一人、閂を開けて自宅へ入って行った。



「天ちゃん来てくれー」

佐山が叫んだ。

「なんだよ、そんなに大声ださなくっても・・・近所迷惑だぞ」

天災はボヤキながら、玄関から中へ入った。

その天災の目に入ったものは、仰向けに倒れている中年女性だった。

佐山の妻、力子だ。

そばに佐山が、しゃがんでいた。

「り力子が、力子が・・・」

彼はパニクってるようだ。

「どうしたんだよ。何があったんだ」

天災も酔いが、一気に冷めた。

「解らん。死んでるんだ」

佐山の声は裏返っていた。

天災も、そーっと近寄って見た。

確かに力子は死んでいた。

そこの玄関は、入ってすぐ右側に2階への階段がある。

天災がまず、頭に浮かんだのは、2階から足を踏み外し階段を転げ落ち、打ち所が悪くて、死に至ったのでは、ということだった。

しかし婦人の首に、うっすらと、あざらしい跡があるのを発見した天災はポツリ

「コロシだな」

そう呟いた。

「えっ」

佐山はその珍しい真顔の天災を見て、また妻の死体を、マジマジと観察していたが

「索溝だな。絞殺か。ど、どうして」

と、震える声で言った。

「とりあえず、署に連絡せねば」

天災は携帯電話で、不潔署に、ことのしだいを告げた。

(これでよし)

そしてまた死体を検視し始めた。

(窒息死の場合、割合早く、死斑と硬直が現れるからなあ。大体2、3時間くらい前って感じか)

佐山と飲み屋で盛り上がっていた頃だと思うと、なんか悪いことしてたみたいな気になった。

(外傷は・・・打撲傷か)

「物取りの犯行かもしれん。何か取られていないか調べて来る」

佐山は手袋をし、リビングへ消えていった。

被害者の夫から、一捜査員に戻ったみたいだ。

天災は外にでて天を仰ぎ、最悪な夜になったなあと思った。



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