トリックス☆スターズ

1.科学と魔導

『諦めて下さい、逃げられませんよ』

「くっ・・何故だ!何故俺は追いつめられている!?」


追いつめられた男は、ここではかなり知名度のある大魔法使いらしい。
ただし、それは本人の評価であり、わたしの見解ではそんな実力は持っていない様だ。


「こんな・・ありえない!
 だってそうだろ?何かがおかしいぞ!」


雑多が散乱した床にへたりこんだその男は、現状を把握出来ていない様だ。

『おかしくないですよ、それじゃ…』

わたしがそっと手をかざす仕草をすると、

「わぁーーーッ!待った!!
 クッ・・大体なんで武器がないんだ!!」

男はまだ現状把握を行っていた。


『武器は最初にわたしが破壊したからです
 忘れたのですか?』


「くそッ、、武器があればこんな事には…
 こんな納得がいかない事には」


『武器を破壊しなくても同じだったと思います
 わたしはあなたが納得しようがしまいがどちらでもいいのですが』


「待った!
 あれだ、あれだけ教えてくれ!」

この男、1秒でも時間稼ぎがしたいのだろうか。

『なんですか?』

「何でお前には俺の魔法が通用しなかった?」


『そんな事は簡単な事です
 ちゃんと科学を勉強してさえいれば』
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