トリックス☆スターズ

7.目的

ベニトはあたしとクリーダに挟まれた形の中、すっかり眠ってしまっている。

─そして

はてな?はてなはてな?

あたしは今起こっている出来事が何なのかよく分からないんだ、クリーダは一体何をやってるんだろう?って見てる感じなの。
小さい子にいい子いい子ってする様に優しく撫でてるんだ、その表情はとても優しい顔をしていたよ。

でも、どうしてこうなった?暫くしてやっと思考が動く様になり、あたしは口を開く事が出来た。

『どういう事?』

「見ての通りそのままです」

見ての通りってどういう事?
クリーダは髪を撫でるのが好きなの?それともあたしの事がが好きなの?はては女の子全般に好きって事?
どれだとしても、クリーダの目は少しも隠すことないって目をしている。

『分かった様な分からない様な感じ…』

「偶然なのです」

『うむ?』

「あの街で偶然あなたを見かけたのですよ」

『ほほぉ、それは偶然そうだ、してどこで見かけたのかな?』

「あれは、教会の建てかえでしょうか?その建築現場です」

『おーッ!懐かしい!
 そんな事もしたもんだ、もう1年近く前になるっけね』

「その前を通り過ぎようとした時、目に止まったのがあなたでした
 あの教会はあなたの魔法で作ったのですよね」

『そうそう!へぇーッ!
 でも通り過ぎただけなのに、よく覚えてたねぇ』

「えぇ、その向かいの宿屋に泊まって毎日様子を見てましたから」

『おぉーッ!?なんて暇人!でも何でまた?』

「わたしは魔戦士組合の帰り、あなたを気に入ったって言いましたよね」

『うんうん、言ってた言ってた』

「なので、どうすればあなたと仲良しになれるか考えてたのです
 まず、あの街に引っ越して、次にあなたの家の前を散歩コースにしました」
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