トリックス☆スターズ
『…そうだったんだ…』

「魔戦士組合の人に丁度仕事に出かけてるって聞いたから、あそこで待ってればいつかは来ると思ってたの
 あんなにすぐ来るとは思わなかったよ」

『あたしはスフェーンがよく分からない
 いつもあたしが困る事ばっかしてたし、今だって何が何だか全然分かんないんだよ』

「だって…おチビたん見てるとあたし
 もうたまらなくなっちゃって」

『そんな…、あたしは物じゃないんだよ?
 イヤな事されたらちゃんとイヤって思うんだよ?』

「そうだよね、ごめんなさい」

どんな言葉を今後言われても、あたしはスフェーンに対する気持ちの変化はないと思った。

『スフェーンの気持ちは分かったよ、でもあたしは』

「待って!」

言いかけた所で止められた。

「あなたがあたしの事どう思ってるか位はわかるから…」

『だったら何でいつもあたしが困ることばっか言ってたの?』

「だって、そうでもしないと振り向いてさえくれなかったじゃない
 振り向いてもらう為に、そして他に目が行かない様に色々考えたんだよ」

─そうか、分かったよ

あたしを困らせれば、あたしの頭の中はスフェーンの事だらけになると思い。
何でも言う事を聞かせる為に、あたしに恐怖心を植え付けたって事なのか。
そして、あたしを孤立させれば全てが手に入ると思ったのだろう。
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