@名もなき冒険者
しかし、石をぶつけたオークは何故か近づいては来なかった。

手にもったナイフをくねくねとリズムでも取るかの様に動かし、その場から弓を射って来る。


射った矢はリュートをかすめた。


リュート『あぶっ!こいつ狩人か!』


遠くから矢を射って来るので余り当たらないみたいだけど、一撃の威力が強いので当たると大ダメージを受けてしまう。

それより問題なのは、広場から矢を射って来るので、他のオークに見つかって加勢してくる可能性だった。


「全然近づいて来ない」

リュート『やばいな~、ちょっと下がるよ』


30メートル程下がるとオークも同じくらい進んで来て、広場口から少し通路に入った。


リュート『きた!』


リュートは振り替えると、一気にオークに駆け寄り間合いをつめた。

その間もオークの標的はずっとリュートに向いていたので、既に3本は矢を食らってしまっている。

リュートは血だらけだった。


しかし接近を許したオークの狩人はもはや敵ではなかった。

弓を戦斧でなぎはらい破壊すると手持ちは小さなナイフしかない、オークはなすすべもなく倒れた。


リュート『いたたた、狩人はちょっと危険だねぇ』


刺さった矢を抜きながら言った、しかしその言葉からは余裕が感じられた。
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