HEARTY DAYS
「あなたは不良製品なんかじゃない。バグができて、普通のロボットみたいに完全じゃなくなっただけ。少し欠点ができただけでしょ?」

「アサさん、私は──」

「あの」


ヨルの声を振り切って、私は女性型に向かった。


「お金は返さなくていいから、廃棄しないで。それで、このロボットを譲って」

「アサ、何を言ってるんだ!」


両親は酷く困惑していた。それでも私は気にしない。


今、無理をしてでも彼を取り返さなかったら、彼との日々が無駄になってしまう。


また、あの日のようになってしまう。
今度こそ立ち直れない。

< 51 / 59 >

この作品をシェア

pagetop