世界で1番愛してる
第三部

暗闇



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「りょーた!」

「お、シズ…お帰り。」

「ん、ただいま。」


昨夜、涼太の家に泊まって涼太の家から学校へ行った。

今日は午前授業でお昼には病院に来れたのが嬉しかった。


昨日、涼太の病気を知った。

でも…今日、先生から聞く結果を聞くまでは絶対に希望を捨てないって決めたの。

結果を聞いても捨てるつもりなんて微塵もないけど…。



「あ、これ…涼太にお土産。」

「なになに?」

「ふふーん。……じゃん!」


持ってきた紙袋を開けて中身を涼太に見せると、涼太はそれを見た途端に目を輝かせる。



「おぉー…わざわざ持ってきてくれたのか?」

「うん、だって…病院って退屈でしょ?これあれば多少は退屈凌ぎになるかなって。」


紙袋の中身…ただの本だけど、ずっと涼太が読みたがってた本。
もう絶版になってて普通の本屋さんにはない。
だから古本屋さんを回って。

ようやく見つけた本を涼太に渡したらこれ以上ないくらいに目尻を下げて嬉しそうに笑ってくれた。



「よくあったなー、これ。」

「涼太のために頑張りましたから?」

「ありがとな。シズ、愛してる!」


サラッと愛を囁いてくれる涼太、大好きだよ。

恥ずかしくてあんまり言えないけど…、誰よりも涼太が大好き。



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